作品詳細
- Title:乗興舟 (Happy Improvisations on a Riverboat Journey)部分
- Date:1767
- Medium::紙本拓版 1巻
- Dimensions:28.7×1151.8cm
作品解説
⑥
橋本
一片の霜翎 碧霄に舞ふ
(大きな真っ白い翼が青空に舞う)
⑦
古渡 行人少れにして
短棹 止まること夷猶
(古い渡し場のあたりに
人影は見えず、
小舟が棹を止めたまま
波に揺られている)
⑧
晴日 風波静かに
扁舟 纜を引くこと遅し
(晴天で波も静かで、
人々はゆったりと上り舟を
綱で曳いている)
⑨
孤村 幾処か楊がんに臨める
曲港 何人か蓽門を鎖せる
(村里の幾軒かの家が
柳の生えた岸辺にひっそりと臨み、
路地の奥には
誰かが隠棲しているのだろう)
前嶋
⑩
綿々として水路遠く
渺々として雲山長し
(どこまでも続いて
終点の見えぬ航路、
はるかかなたまで連なる
雲に蔽われた山々)
三島
※漢詩の現代語訳は『若冲ワンダフルワールド』に拠っています。