作品詳細
- Title:百犬図 Hyakken-zu(Dogs)
- Date:寛政11年(1799年)
- Dimensions:142.7×84.2cm
- Medium:絹本着色 一幅
- Collection:個人蔵
作品解説
白、黒、茶のさまざまな毛色、模様の59匹の仔犬で画面が埋め尽くされています。取っ組み合いをしていたり、じゃれあっていたり、さまざまなポーズの仔犬を描くことで、単調にならないように工夫されています。このような「○○づくし」はこの時代によく見られる趣向でした。
題材については、犬の子どもを「狗子」(くし)ということから、「百狗子」(ひゃくくし)→「百子」(ひゃくし)という語呂合わせで、童子が遊ぶ「百子図」に見立てたという説があります。
また、犬が安産、多産の象徴であったことから、子孫繁栄を願う意図が込められているという説もあります。
款記は左上に「米斗翁八十六歳画」、「藤女鈞印」(白文方印)、「若冲居士」(朱文円印)、右下に「丹青活手妙通神」(朱文長方印)と捺されています。
若冲は八十五歳で没しており、またこの作品が贋作とは考えにくいことから、長寿を願って年齢を詐称したという説があります。
当時は還暦を過ぎたら改元ごとに1年加算する習慣がありました。若冲は還暦の後に天明、寛政と2度の改元を経験しており、そこで実際の年齢よりも加算されていた可能性があります。」