若冲の作品には、画面全体に約1cm四方のマス目をつくり、その中を一つ一つ塗る「桝目描き」、「モザイク画」と呼ばれる技法で描かれたものがあります。
方眼の中にはもうひと回り小さな正方形が描かれています。
若冲の縁者に西陣の織物商がいることが近年の研究で判明し、織物を作るときの図案である正絵(原画を方眼紙にうつした下絵)から、若冲がこの技法の着想を得た可能性があります。
「桝目描き」のなかには、若冲の下絵をもとに弟子たちが彩色したと考えられているものもあり、すべてが若冲の真作であるかどうかは説がわかれています。