信行寺 花卉天井画 牡丹

伊藤若冲 信行寺 花卉天井画 牡丹

伊藤若冲 信行寺 花卉天井画 牡丹

伊藤若冲 信行寺 花卉天井画 牡丹

伊藤若冲 Ito Jakuchu 牡丹 Peony
伊藤若冲 信行寺 花卉天井画 牡丹

作品詳細

  • Title:牡丹 Peony
  • Collection:信行寺 花卉天井画 Shingyoji

作品解説

若冲83歳ごろの作。

もともとは石峰寺観音堂の天井画でしたが、現在は京都の信行寺本堂外陣の格天井を飾っています。

南北8段、東西21列、計168の格子面に1種類ずつ花が描かれています。

若冲の最晩年の作品、信行寺外陣の格天井に残された167枚の花々のうち、最も多く描かれている花はボタンである。豪華な姿で「花王」とも称されるが、日本に自生はなく、奈良時代以降に中国から渡来し、江戸期には盛んに品種改良が進められた。
ボタンは種子または接ぎ木で繁殖させるが、明治以前は種子繁殖が中心で、高価であった。接ぎ木は、強健な品種を台木にして行われた。しかし、成長は遅くあまり増えなかったという。安価になるのはシャクヤク台を使う明治以降である。
若冲が「究極の花」のようにボタンを多く描いたのは、多くの品種があったことも理由の一つで、江戸末期では300品種を超えたとされる。中には黄色系や黒色系の花をつけるものもあったといわれる。この花卉図天井画でも、いくつか黄色系?と見られる花が描かれているようだが、これは絵の具の退色による「黄色」の可能性も考えなければならず、今後、その成分からの花色の確定は重要なことの一つに入るだろう。現在では黄色い花をつけるボタンの原種も導入されているが、若冲が描いた当時に、ほんとうの「黄色い花」があったとすれば驚きというほかない。
また、花の見た目がよく似ているのがボタンとシャクヤクだが、ボタンが落葉低木で、シャクヤクが多年草であるから、姿全体が描かれていれば同定に困ることはないが、この花卉天井画では多くの場合、花周辺の姿だけが描かれるため、ときには見分けが困難な場合がある。
『若冲の花』若冲が描いた江戸中期の「花」光田重幸
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