果蔬涅槃図 Kaso Nehan-zu (Scene of Buddha’s Nirvana by Vegetables)

伊藤若冲 Ito Jakuchu 果蔬涅槃図 Kaso Nehan-zu (Scene of Buddha's Nirvana by Vegetables)

作品詳細

  • Title:果蔬涅槃図 Kaso Nehan-zu (Scene of Buddha’s Nirvana by Vegetables)
  • Date:安永8(1779)または寛政6年(1794年)- 寛政12年(1800年)頃
  • Dimensions:181.7×96.1cm
  • Medium:紙本墨図 一幅
  • Collection:京都国立博物館

作品解説

果蔬(野菜と果物)で釈迦入寂の場面を表現した作品。

釈迦に見立てられているのは、伏せた籠の上の二股大根で、大根は大黒天への供物でもあり、女性の表象でもあります。禅宗においては、大根は仏をイメージするものとされ、禅宗絵画の主題にもなっています。

沙羅双樹はトウモロコシ、釈迦の死を悼む菩薩や羅漢たちは、野菜と果物で表されています。若冲は墨の濃淡、筋目描き、にじみなどを駆使して、果蔬を生き生きと表現しています。

安永8年(1779年)の母の死後、若冲が父母の鎮魂のために描いた、家業の青物問屋がいっそう繁栄するよう願いを込めた、などの説があります。

そのため、制作は安永8年頃とされていますが、印章の状態からや「菜蟲譜」(寛政2年頃の作)、「蔬菜図押絵貼屏風」(寛政6年)との類似性から、寛政6年-寛政12年頃の作とする説もあります。

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