信行寺 花卉天井画 朝顔

信行寺 花卉天井画 朝顔

作品詳細

  • Title:朝顔(アサガオ) morning glory
  • Collection:信行寺 花卉天井画 Shingyoji
アサガオは、奈良時代に中国から渡来し、薬草とされたが、いつしかその花が観賞されるようになった。江戸時代、公家や上流の武家たちにはキクやツツジが好まれたが、アサガオは鉢植えでも手軽に育てられることなどから、どちらかといえば庶民に愛された。ことに江戸時代といえば「変化咲朝顔」が世界的に有名である。葉や花の形や色が多彩に変化するように栽培された「変化咲朝顔」が、一大ブームを巻き起こしたのだ。ところが、この天井画には、アサガオかどうか疑問の残るものもあるが、それ以外は、ごく普通の花型のアサガオばかりである。花は早朝に開き、午後にはしぼむ。まったく描かれていないのなら、若冲の好みでなかったか、彼は夜型人間だったという想像もできるが、現に繰り返し描かれている。
じつは江戸期に「変化咲朝顔」の改良が進められたのは文化・文政(1804~30年)以降、つまり若冲死後の、それも京ではなく江戸中心であった。時代的にも地理的にも、若冲とは無縁だったといえる。こういうところにも、167枚の花卉天井画は、タイムカプセルを開くようで面白い。
『若冲の花』若冲が描いた江戸中期の「花」光田重幸
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