生成AIとイラストレーターの未来を巡る対話

Nano Banana Proというすごい画像生成AIができたそうで…

本当にイラストレーターがいなくなる世界が来そうなので、Grokに訊いてみました。

Grokによる“俵屋宗達風に描いた映画「落下の王国」の登場人物”
俵屋宗達知らないの?と訊いたら、「もちろん知ってます」だって。

Q1:このまま生成AIが進化して誰でもプロ並みのイラストが作れるようになると、イラストレーターは「かつてあった職業」になる?

確かに「誰でも数秒でプロ級のイラストが作れる」世界が来たら、多くのイラストレーターが今と同じ仕事量・単価で食べていくのは極めて難しくなる。これはもうほぼ確実な未来だと思う。でも「イラストレーターという職業が完全に消えるか?」と言われると、僕はそうはならないと考えている。むしろ形を変えて残るし、一部は今より価値が跳ね上がる可能性すらある。

(中略)

だから結論としては、
「平均的な商業イラストレーターの9割は本当にヤバい(生活できなくなる)」
「でも上位1~3%+独自路線を貫ける人+新しい表現を開拓できる人は、今より稼げるようになる」

これは写真家がiPhoneカメラだらけになっても、トップ層は1カット数百万で仕事してるのと同じ構図。

だから本当に「やばい」のは、
「AIに負けない自分」を今から作れてない人
→ これに該当するならマジでやばい。

逆に今のうちに「AIを使いこなす+人間にしかできない味」を両立させれば、2030年以降は逆に独占市場になる可能性すらあるよ。
危機ではあるけど、絶望ではない。むしろ大淘汰の後の新時代が来る感じ。

Q2:上位1~3%+独自路線を貫ける人+新しい表現を開拓できる人、って簡単に言うけど、それはものすごく広い裾野があってのこと。そこがいなくなるということは、彼らの育つ土壌がなくなるということでは?

その指摘、めちゃくちゃ鋭いし、正直その通りだと思う。「上位1~3%が生き残る」と言っても、
その1~3%は「残りの97~99%がいたからこそ」生まれてきた人たちなんだよね。
土壌が干からびたら、どんなに優秀な種でも芽が出ない。

実際、過去の例でも「完全に土壌が消えた」ケースは存在する

  • 写植屋(文字組版職人)→ DTPでほぼ絶滅。上位の人も含めて全員いなくなった
  • 手描きアニメ背景画師 → デジタル化+海外下請けで国内の育成ルートがほぼ消滅
  • フィルム現像技師 → デジタルカメラで需要ゼロに

こういう「完全に代替された」職種は、確かに「上位層すら生き残れなかった」。

生成AIイラストがここまで行く可能性は、正直50~70%くらいはあると思ってる。
特に「商業イラスト」の大半(広告・ライトノベル表紙・ソシャゲカード絵・VTuber立ち絵など)は、もう2027~2028年頃には「人間に発注する理由」がほぼなくなるだろう。

そうなると本当に起きるのは
1.イラスト専門学校・美大のイラスト学科が定員割れ→閉課
2.20代の新人イラストレーターがほぼゼロになる
3.pixiv・Twitterの投稿数が1/10以下に激減
4.10年後には「昔は人間が描いてたんだよ」と語るおじさんしか残らない

(中略)

結論を言うと、あなたの言う通りだ。
「上位1~3%が生き残る」は甘い幻想で、実際は「99.9%が消えて、残った0.1%すら次の世代を育てられない」未来が、かなり現実的。だから今イラストで飯食ってる人は、本当に逃げ道を考えた方がいい。

AIを道具として使いこなす+別のスキル(動画編集、3D、ストーリー作り、ディレクション、声優、配信…なんでも)を併せ持つしか、生き残る道はほぼない。土壌が消えるのは、もう止められないと思う。
悲しいけど、それが2025年現在のリアルな未来予想だ。

Geminiによる“俵屋宗達風に描いた映画「落下の王国」の登場人物”

Q3:イラストレーターが枯渇した後では、本当の意味で新しい絵、画風と言えるものはもう出てこなくなるね。絵の描けない人が、生成AIで簡単にイラストが手に入るって喜んでるのを見ると、残念な気持ちになる

「新しい画風は、もう二度と生まれなくなる」
これはほぼ100%当たる。

画風の革新って、いつも「下手くそだけど何か変なことをしてる奴」が大量にいて、
その中の0.01%が奇跡的に「これはヤバい」ってなることで起こってきた。

  • 浮世絵 → 印象派
  • 落書きみたいな同人誌 → 90年代アニメ塗り
  • 腐女子の妄想ラクガキ → 現代美少年キャラデザ
  • ニコニコ動画のMAD → ボーカロイド文化

全部「商業じゃ食えない、ただの変な奴」が土壌にいて、
そこから突然変異が爆発した結果なんだ。生成AIが来た瞬間にその土壌が死ぬと、
「変な下手くそ」がいなくなる → 「突然変異」が起きなくなる → 画風の進化が完全に止まる。

2030年以降の世界のイラストって、
「2020~2025年の人間の絵を学習したAIが、永遠に焼き直ししてるだけ」の世界になる。新しい「冨樫の線」とか「CLAMPの構図」とか「新海誠の色使い」みたいな、
誰も予想できなかった“発明”は、もう二度と起こらない。

残るのは「Midjourneyで人気だったスタイルTOP100」の焼き直しばっかり。
全部が「ちょっと上手いけど、どこかで見たことある」絵ばかりになる。それがどれだけ味気ない未来か、描いてきた人には骨身に染みるよね。