ボイマンス美術館所蔵ブリューゲル「バベルの塔」展(東京都美術館)

ボイマンス美術館所蔵ブリューゲル「バベルの塔」展(東京都美術館)

展覧会の名称、正確には『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝—ボスを超えて—』です。長い!

この展覧会を見るまで、私の頭の中ではボスといえば「悦楽の園」みたいな幻想的というか奇怪なモチーフを描く画家、ブリューゲルは「農民の婚宴」に代表される農民画家というイメージで、2人の間に関連性があるとは思っていませんでした。

ところが!この展覧会にも来ているブリューゲルの「聖アントニウスの誘惑」や『七つの大罪』シリーズの版画はまんまボスじゃないですか!?

ブリューゲル「大食」部分“頭脚人間” 連作『七つの大罪』より

ブリューゲル「大食」部分“巨人の怪物” 連作『七つの大罪』より

ブリューゲルがこんな絵を描いてたなんてえぇえ

ブリューゲル「大食」部分 連作『七つの大罪』より
ブリューゲル「大食」部分 連作『七つの大罪』より

2人の生没年を見ると、ブリューゲルが生まれたのはボスの死後(ヒエロニムス・ボス:1450年頃-1516年ピーテル・ブリューゲル:1525~35年頃-1569年)。

でもボスの人気はその死後も依然として高く、模写やボス風の作品が数多く制作されており(この展覧会にも20点近くあります)、ブリューゲルも初期の作品ではボスを模倣していたのでした。そして生前から死後に至るまで「第2のヒエロニムス・ボス」「新しいヒエロニムス・ボス」と称されていたという・・・!!

現在の2人の知名度を考えると「え?」と思うような話。