インド宗教
- インド古代の聖典「リグ・ヴェーダ」は紀元前1500~1000年までに成立→多神教の宗教観
- 紀元前1000年以降「後期ヴェーダ時代」
- 紀元前600年以降「十六大国時代」…都市化、社会の階層化が進み祭司ブラーフマナの権威が高まった
多様な現象の背後には普遍的な本質である「ブラーフマン」(梵)が存在する。
個々の存在「アートマン」(我)はそれを理解し、一体化することが求められる(「梵我一如」)。
輪廻思想…生けるものは死と再生を無限に繰り返し、しかもこの世でのあり方は前世での行為(「業」)によって決定される
仏教
ゴータマ・シッダールタ
ヒマラヤ山麓にある釈迦族の国の王子として生まれる。
29歳の時、王位と妻子を捨て出家を決意。6年修行するが心の平静は得られず、苦行を放棄。菩提樹の下で瞑想にふけっているときに悟りを開く。
人生は苦に満ちている
- 四苦…生苦、老苦、病苦、死苦
- 八苦…四苦に愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦の四つを加えたもの
苦を消滅させるには、八正道の教えを守って生きていくことが必要
- 道…正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定
- 四聖諦…苦諦、集諦、滅諦、道諦
人間とは六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)を通じて世界を経験する存在であるが、経験の主体である自己は迷妄に過ぎない。
五蘊(色蘊・受蘊・想蘊・行蘊・識蘊)は対象との関係において常に変わるものだから「無常」であり、それに立脚する自己は真実の存在ではない。
ゴータマは35歳から80歳で亡くなるまで説教を続けた。
ゴータマの言行録は何世紀も後にはじめて文字化されたため、同時代の資料はない。
出家者は現生の執着を断ち多くの律(規則)を守って暮らす必要があった。
前3世紀ごろ、出家者の集団(サンガ)が上座部と大衆部に分裂。
紀元前後、大衆部から大乗仏教が生じる。
原始キリスト教と原始仏教
共通点
- 既存の宗教の改革運動として始まっている
- 定住地、財産、家族、職業を持たず、世俗を離れて暮らすことを弟子に求めた
- 既存の宗教の特徴である儀礼主義を批判
- 宗教者は世俗から切り離されていたため、支援してくれる在家信者を必要とした
- 親族や地域集団といった既存の組織に立脚せず、集団から析出された個をターゲットにした
- 世俗からの分離を徹底したことで、既存の社会システムの枠を超えて広がることが可能になった
相違点
- 原始キリスト教は一神教なのに対し、原始仏教は無神論
- イエスは直接神につながり、地上での代理人として行動したのに対し、ゴータマはあくまで一個人としてその教えを作った