諸国瀧廻り 木曾路ノ奥阿弥陀ヶ瀧

葛飾北斎 諸国瀧廻り 木曾路ノ奥阿弥陀ヶ瀧 hokusai_The Amida Falls in the Far Reaches of the Kisokaidô Road

作品詳細

  • Title:諸国瀧廻り 木曾路ノ奥阿弥陀ヶ瀧 The Amida Falls in the Far Reaches of the Kisokaidô Road (Kisoji no oku Amida-ga-taki), from the series A Tour of Waterfalls in Various Provinces (Shokoku taki meguri)
  • Artist:葛飾北斎 Katsushika Hokusai
  • Medium:錦絵
  • Dimension:大判 38.2 x 25.9 cm
  • Date:1832 (天保3)年頃
北斎の芸術的資質を際立たせているものとして、森羅万象に向けられた旺盛な好奇心と卓抜な観察力、描写力があげられ、偉大なリアリストとしての讃辞が呈せられる。しかしながら、その作品に絶えずつきまとう特異な表出性に目を向けるときに、かれを単純にリアリストとして定義づけることは、むしろ困難になる。天保4年の「諸国滝廻り」8枚揃に見られる奇怪な滝のフォルムは、このことを痛感させる。花田清輝氏は有名な「神奈川沖浪裏」の波を“無機物の崩壊するさいのすさまじさをとらえようとした”妖怪画の一種として見ようとする(同氏「百物語」)が、この鋭い批評はそのまま「諸国滝廻り」の滝に対してあてはまるようである。(辻)
『原色日本の美術17 風俗画と浮世絵師』