小袖の生地と技法① 辻が花

辻が花

平安時代以降、上流階級の間で紋織物が貴重視され、染物は奈良時代の纐纈の伝統を引く絞り染だけが続いていました。

桃山時代に、小袖に絞り染に色挿し、摺箔などを併用するようになり、のちに「辻が花」と呼ばれました。

用いられた期間は室町時代末期~江戸時代初期と短いものでしたが、江戸時代の小袖に使われた染織技法は「辻が花」が発展的に解消したものとみることもできます。

染分練緯地桐矢襖模様桐紋付胴服(そめわけねりぬきじきりやぶすまもようきりもんつきどうふく)

kiri yabusuma

南部信直が豊臣秀吉から拝領したと伝えられている胴服。

胴服は、外出時に小袖の上に羽織るもの。

練緯は、経糸(たていと)に精錬していない生糸を、緯糸(ぬきいと)に精錬した練糸を用いて織った平絹のことです。