『宗教の本性 誰が「私」を救うのか』を読む 

いままで読んできた本で、自死を肯定的に扱ったものは見たことがないように思う。

だが、この本の著者である佐々木閑氏は、自死は仏教の説く2つの悪(世俗的な悪、仏教的な悪)のどちらにもあてはまらないから、仏教では自死は悪ではないという。

自死した人に対して「愚かだ」とか「弱い人だった」などと批判するのは大変な間違いです。自死という行為も、やむにやまれぬ場合においての誇りある決断の一つであるということは理解しておくべきと思います。

まさに母親がそういうことを言う人で、自分が死にたくなるような苦しみに直面してこなかっただけなのに、嫌だなあと思っていた。

佐々木氏は『多くの人は死を意識してはじめて、我が身のものとしての宗教、死への恐怖や不安を取り除いてくれる宗教を求めることになる』とも書いているが、自分は物心つくかつかないかの時分から、ずっとこの状態だから。

いっときは輪廻転生に救いを見出していたけど、またこのしんどい思いをしたくないから、今はもう生は一回きりでいいと考えている。