『内澤旬子の島へんろの記』を読んでから、お遍路さんに興味がわいて、ほかの人の体験記もいくつか読んだりしてみた。
『旅の手帖 5月号』でも四国特集でお遍路のことがとりあげられていたが、胡光四国遍路・世界の巡礼研究センター長の「知らなかった…! 四国遍路のほんとの話」が興味深かった。
- 鎌倉時代に一遍上人が弘法大師の足跡を辿る修行をしたのが、四国遍路の原型と考えられる
- 仏教の世界では西方に極楽浄土があると考えられており、四国が都から見て西にあたることも影響
- 四国遍路のガイドブック『四国遍路道指南』が1687年に出版されている。このころ近畿地方では四国遍路がブームに
- 簡単に藩境を超えられない江戸時代の庶民にとって、四国遍路は物見遊山もかねた娯楽
- 今はお遍路さん定番の白装束は、昭和30年代の観光バスによるお遍路ツアーが発端
- 「同行二人」も新しい習慣。もとは何人連れの団体かを明記していた
第1番札所霊山寺でお遍路スタイルを決めているマネキン(顔がひび割れてて怖い)
白装束と「同行二人」は実はそんなに歴史のないものだったとは。
内澤旬子さんがお遍路の際に、こまごまとした手順を守るのに四苦八苦しているのを読んだだけに、こういうなんの根拠もない習慣もあるんだよなあと嘆息する。
今していることにおいて、何が本質かを考えれば、お参りする手順などはそんなに厳格に守る必要はない気がする。
まずは「巡礼する」という行為自体が大事なのでは?
日本人って、決まりが今でも妥当なものかどうかとか考えることなく順守しようとするからなあ。