作品詳細
- Title:韃靼人狩猟図屏風 部分 Scene of Tartars Hunting on Horseback
- Date:江戸時代 17世紀中頃 First quarter of 17th century
- Medium:一面 紙本著色 Sixfold screen ; Color and gold leaf on paper
- Collection:出光美術館 Idemitsu Museum
中国北方、モンゴル系の部族“韃靼人”の遊猟の様子を描いたもので、一般的に「韃靼人狩猟図」の名称で呼ばれている。“打毬”の画題と組み合わせで一双屏風とすることがあり、米国サンフランシスコ東洋美術館本などがある。桃山・江戸初期の狩野派が好んで描いた画題で、いわば武家風俗の一つとして制作された。
韃靼人たちの顔や独特なあたりのある衣文様などの描き方は狩野派の特徴で、その描線の流麗さは、桃山時代天正年間(1573-1592)から慶長年間(1596-1615)にかけてのすぐれた技術をもった画家の名前が挙げられそうである。画面右端上方に見えるやわらかくカーブする松樹の優美さ、韃靼人たちの物静かな雰囲気など、狩野永徳の嫡男、狩野光信の手になるものと考えたい。特に、狩野宗秀筆説のあるサンフランシスコ東洋美術館本、「元秀」印をもち甚之丞筆と考えられるフリア美術館本と比較すると興味深い。
『出光美術館蔵品図録 風俗画』
韃靼人たちの顔や独特なあたりのある衣文様などの描き方は狩野派の特徴で、その描線の流麗さは、桃山時代天正年間(1573-1592)から慶長年間(1596-1615)にかけてのすぐれた技術をもった画家の名前が挙げられそうである。画面右端上方に見えるやわらかくカーブする松樹の優美さ、韃靼人たちの物静かな雰囲気など、狩野永徳の嫡男、狩野光信の手になるものと考えたい。特に、狩野宗秀筆説のあるサンフランシスコ東洋美術館本、「元秀」印をもち甚之丞筆と考えられるフリア美術館本と比較すると興味深い。
『出光美術館蔵品図録 風俗画』
打毬(だきゅう)…日本の競技・遊戯。馬に騎った者らが2組に分かれ、打毬杖(だきゅうづえ。毬杖)をふるって庭にある毬を自分の組の毬門に早く入れることを競う。