ディムコボ(Dymkovo toys/Дымковская игрушка, вятская игрушка, кировская игрушка)というロシア・キーロフ地方の伝統工芸品があります。
馬に乗った人や鳥、女性などをかたどったカラフルな陶製の人形で、その歴史は古く、少なくとも17世紀まではさかのぼれるそうです。
私はディムコボの色遣いや造形が好きなのですが、そういったロシア関係のグッズを扱うお店でもなかなか見かけません。
ディムコボを描いてみようかとネットで調べていたら、絵本にした画家がいたことを知りました。
アレクセイ・ジェンシン(Aleksei Ivanovich Denshin/Алексей Иванович Деньшин, 1893-1948)が1917年に『ビャトカの粘土人形(Vyatskaya clay toy figures/Вятская глиняная игрушка в рисунках)』 という本を出しているのですが、画家が手描きした絵を貼り付けて作られています。
ロシア革命がおこった年ですから、印刷事情が悪かったのでしょうか?マヤコフスキーたちも「ロスタの窓」をせっせとステンシルで印刷していたころの話ですから・・・
画家の名前は、英語の綴りを見ると「デンシン」ですが、ロシア語の綴りからすると、「ジェンシン」かなあ、と・・・ググってみましたが、どちらも全くヒットしないので、わかりません。
「ディムコボ」も「ドゥイム」「ディムカ」「ディムカヴァ」「ディムコフ」などなど、日本語表記がまちまちです。たぶんもとは「Дымков」(「ディムコフ」)という地名で、格変化で語尾が変わったのをカタカナで表記したようです。
ロシア語の「Дымковская игрушка」「вятская игрушка」「кировская игрушка」はいずれも「地名+おもちゃ(игрушка)」の表記で、「ディムコフ」<「ビャトカ」<「キーロフ」という関係のようです。