ジョット・ディ・ボンドーネ(Giotto di Bondone)
- ジョットは、形式的なビザンティン様式が支配的だった当時の西洋絵画にそれまでなかった奥行きのある三次元的な空間を描き、生き生きとした動きや表情を持った人物を立体的に表現しました。
- 神中心の世界観から人間中心の世界観を示し、マザッチョを通じてその後のルネサンス到来につながる道筋をつくったことで、「西洋絵画の父」「近代絵画の祖」などといわれています。
- ジョットはジョルナータ法というフレスコ技法を確立しました。フレスコ画は、漆喰が乾かないうちに水で溶いた顔料を塗らなくてはならないので、画家が一日(ジョルナータ)で描ける分量だけ漆喰を塗っていくという方法です。
生涯
- 1267年頃 フィレンツェ近郊に生まれる。
- ジョルジョ・ヴァザーリは、ジョットが羊の絵を描いているところに高名な画家のチマブーエが通りかかり、絵の才能をみて弟子にしたとしているが、このエピソードの真偽は定かではない。
- 1297-1300年 ローマで活動する。
- 1328-1333年 ナポリ王ロベルト1世に招かれ、ナポリ宮殿に滞在する。
- 1334年 フィレンツェの大聖堂の造営主任となり、鐘楼を設計する。
- 1337年、フィレンツェで死去し、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に埋葬される。
代表作
- 『聖痕を受ける聖フランチェスコ』(1290-1300年代 ルーヴル美術館、パリ)
- 『十字架上のキリスト』(1300-1305年頃 サン・フランチェスコ聖堂、リミニ)
- 『ヨアキム伝』(1304-1306年 スクロヴェーニ礼拝堂、パドヴァ)
- 『キリスト伝』(1304-1306年 スクロヴェーニ礼拝堂、パドヴァ)
- 『荘厳の聖母(マエスタ、オニサンティの聖母)』(1306-1310年 ウフィツィ美術館、フィレンツェ)
- 『ステファネスキの三連祭壇画』(1320年 ヴァチカン美術館、ローマ)
- 『聖フランチェスコ伝』(聖フランチェスコ大聖堂、アッシジ)
- 『聖フランチェスコの生涯』(サンタ・クローチェ聖堂バルディ礼拝堂、フィレンツェ)
- 『洗礼者ヨハネと福音記者ヨハネの生涯』(サンタ・クローチェ聖堂ペルッツィ礼拝堂、フィレンツェ)