作品詳細
- Title：聖トマス
- Artist：ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
- Date：1878-1879年
- Dimensions：64.6×53.9cm
- Medium：油彩、カンヴァス
- Collection：国立西洋美術館
作品解説
ロレーヌ公国に生まれたラ・トゥールは、ルイ13世の国王付き画家でしたが、没後忘れ去られ、その作品は別の画家の作品と間違われたり、作者不詳として保管されていました。
1915年、美術史家ヘルマン・フォスが再発見し、現在では高い評価を受けていますが、真作は40数点しか確認されていません。
『聖トマス』はフランスのアルビの大聖堂に長く保管され、1987年にその存在が世に知られるようになりました。
聖トマスは、キリストの十二使徒の中で唯一イエスの復活を自分の目で見なかったため、ほかの弟子たちの言葉を信じませんでした。しかし、自分の前に現れたキリストの脇腹の槍傷を触って、初めて復活を信じたといいます。
このことから、「不信のトマス」「懐疑のトマス」ともいわれています。
この作品で聖トマスが槍を持っているのは、そのエピソードのためか、 最期に槍で突き刺されて殉教したためと思われます。
