作品詳細
- Title:受胎告知
- Artist:エル・グレコ
- Date:1590-1603年
- Dimensions:108.5×79.5cm(楕円形)
- Medium:油彩、カンヴァス
- Collection:大原美術館
作品解説
エル・グレコとはスペイン語で「ギリシャ人」の意味で、本名はドメニコス・テオトコプーロスといい、当時ヴェネチア共和国の支配下にあったクレタ島の出身です。
イタリアでルネサンス芸術を学び、30代なかばでスペインのトレドに移り住みました。ここで人気画家となり、工房を持って大量の作品を残しました。
人体が引き伸ばされたデフォルメや激しいタッチ、強烈な明暗と色彩の対比がエル・グレコの特徴ですが、その傾向が強まるにつれて人々から支持されなくなり、死後は長い間忘れられていました。
この『受胎告知』は50代の作品で、エル・グレコはこの主題で何枚もの作品を残しています。聖母マリアが天使ガブリエルから、キリストの懐妊を告げられる場面で、天使の周りには純潔を示す百合と燃える柴、聖霊の象徴である鳩が描かれています。
『受胎告知』は、通常室内画として描かれますが、この作品の背景は闇を切り裂くような光が走り、ドラマチックな空間を作り出しています。