作品詳細
- Title:落ち穂拾い
- Artist:ジャン・フランソワ・ミレー
- Date:1857年
- Dimensions:83.5×111cm
- Medium:油彩、カンヴァス
- Collection:オルセー美術館、パリ
作品解説
ミレーは『落ち穂拾い』に先立ち、1853年に四季連作の注文を受けて描いた「夏」の部で、落ち穂拾いをする農婦を描いています。
その4年後に描かれた本作品では、遠景に大きな積み藁があり、豊かな農民がいる一方で、手前の貧しい3人の農婦は、彼らの土地の落ち穂を拾い集めています。
この貧富を対比させるような構図は、サロンで賛否両論となり、3人の農婦を「貧困の3人の女神」と酷評する批評家もいました。
しかし、ミレーの主眼は働く姿の尊さを描くことであって、友人に当てた手紙にも以下のように書いています。
「結局、農民画が私の気質に合っている。社会主義者とのレッテルを張られることがあったとしても、芸術で最も私の心を動かすのは、なによりも人間的な側面なのだ。たとえ私が全能の芸術家であったとしても、自然や風景や人物像から直接受けた印象の結果以外は絶対に描くまい」