1880年代後半、フランス北西部ブルターニュのポン・タヴェン村には印象派や点描派、バルビゾン派風などの芸術家が集まっていました。
ゴーギャンを中心にベルナール、セリュジエ、ラヴァル、メイエル・ド・ハーンらからなるグループはポン・タヴェン派と呼ばれます。
ポン・タヴェン派の中心的役割を果たしたのはゴーギャンですが、ほかの画家も独自の様式をつくりあげました。ベルナールは、浮世絵のように色面を輪郭線で囲むクロワゾニズムという様式を生み出しました。
1888年、ポン・タヴェンでゴーギャンがセリュジエに絵の描き方を指導し、「護符」が出来上がりました。セリュジエがこの絵を画塾仲間のドニに見せたのが、ナビ派結成のきっかけとなります。
ナビ派の中心人物はドニとセリュジエで、ボナールとヴュイヤールも加入しました。
ナビとは預言者のことで、ゴーギャンの言うイメージを表す色と線を崇拝し、美術界の新風たらんとしました。