18世紀のイタリアは経済的に凋落しつつありました。ヴェネツィアはナポレオンの軍事侵攻によって、1000年以上に及ぶ共和国の歴史が閉じようとしていました。
しかし、この時期にヴェネツィア絵画は重要な画家を輩出し、第2の黄金時代を迎えます。
イタリアに最先端の美術はありませんでしたが、古代遺跡やルネサンス期の美術を見る観光地となり、そのお土産としてヴェドゥータ(都市景観画)が流行しました。
カナレットは都市の景観を厳正なリアリズムで描きました。一方、ティエポロはイタリア・バロックの最後の後継者として、国際的舞台で活躍しました。
こうした二極性は、古い体制を受け継ぎながら、近代の萌芽が見られる18世紀という時代を象徴しています。