フェルメール『牛乳を注ぐ女』

フェルメール『牛乳を注ぐ女』

作品詳細

  • Title:牛乳を注ぐ女
  • Artist:ヨハネス・フェルメール(ヤン・フェルメール)
  • Date:1660年頃
  • Dimensions:45.5×41cm
  • Medium:油彩、カンヴァス
  • Collection:アムステルダム国立美術館、アムステルダム

作品解説

『牛乳を注ぐ女』は初期の傑作で、上流階級の女性を描くことが多かったフェルメールには珍しく、台所で働く若いメイドが単独で描かれています。

画面のさまざまなところにポワンティエ技法(点綴法)が用いられていることから、フェルメールがカメラ・オブスキュラを用いて絵を描いていたという見方もあります。

フェルメールは非常に高価なラピスラズリを原材料とする青色(ウルトラマリンブルー)を多用しています。この色は別名フェルメール・ブルーとも呼ばれていますが、『牛乳を注ぐ女』ではメイドのエプロンなどに使われています。

ラピスラズリを下地に用いるなどふんだんに使ったことが、フェルメールが負債を抱える原因の一つとなったという説もあります。

フェルメールはこの絵のような青と黄色の組み合わせを好んで用いており、『真珠の耳飾りの少女』『手紙を読む女』『レースを編む女』『水差しを持つ女』などにも同様の配色が見られます。

また、最近の調査で、途中の段階では壁に地図(もしくは絵画)があり、床に洗濯かごが置かれていたことがわかっています。

フェルメールの風俗画は、ありふれた光景を描写していながら、現実から離れて時間が止まっているかのように見えるところに大きな特徴があります。

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