1593年のエル・エスコリアル宮の目録によると、「悦楽の園」は「さまざまの気まぐれな象徴による、世界の多様性を描いた絵」。
中央パネルは西洋美術史上屈指の奇想の絵画で、さまざまな解釈がなされていますが、大まかに分けると以下の2通りになります。
①地上の楽園、ユートピア
②原罪を負う人間の罪深い世界
上部には池があり、その中や周囲に色も形も非現実的な建築物がある
中央には女たちがつかる「生命の泉」があり、その周りを豚、鹿、熊、ライオンなどに乗った若者が周回している
エスコリアル宮修道院の神父、ホセ・デ・シグエンサは、この赤いイチゴの「つかの間の味わいと世のはかなさ、虚しさ」がこの絵の主題だと説明しています。
作品詳細
- Title:悦楽の園(中央パネル) The Garden of Earthly Delights(center panel)
- Artist:ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch
- Dimensions:220×195cm
- Medium:板に油彩 Oil on panel
- Date:1458年以降
- Owner:プラド美術館