16世紀の最初の30年間は盛期ルネサンスと呼ばれます。15世紀末からの画家や彫刻家・建築家たちのさまざまな試みが、古典主義として大成しました。
ヴェネツィア絵画
ヴェネツィアのルネサンスはフィレンツェよりも遅れてスタートしましたが、ティツィアーノが活躍した16世紀を通じて、ルネサンス美術の一大中心地と呼ぶにふさわしい黄金期を迎えました。
ヴェネツィア絵画の特徴は、色彩の表現力にあります。フィレンツェやローマの美術が形とデッサン力を重視したのに対し、ヴェネツィアの画家たちは、質感や雰囲気の表現を通じて、人間の感覚や感情に訴える効果を追求しました。