フェルメール『デルフトの小路』

フェルメール『デルフトの小路』

作品詳細

  • Title:デルフトの眺望
  • Artist:ヨハネス・フェルメール(ヤン・フェルメール)
  • Date:1660年頃
  • Dimensions:54.3×44cm
  • Medium:油彩、カンヴァス
  • Collection:アムステルダム国立美術館、アムステルダム

作品解説

フェルメールは、少なくとも3点の都市景観画を描いたことがわかっていますが、現存するのはこの『デルフトの小路』と『デルフトの眺望』の2点です。

フェルメールは1650~1660年代の一時期だけこれらの風景画を手がけ、あとは風俗画、寓意画しか描きませんでした。

デルフトは1536年の火災で街の西側が焼失し、さらに1654年、火薬庫の爆発により北東部分が壊滅的な被害を受けました。デルフトで生まれ育ったフェルメールは、爆発に遭遇したことで、昔からの街並みを描いておこうとしたとも考えられます。

『小路』の描かれた場所は特定されておらず、少年期を過ごした家「メーヘレン」から、裏手に見える旧養老院を描いたという説があります。

しかし、フェルメールの写実一辺倒ではない画風から、特定の建物を描いたものではないとも考えられます。

画面は左と右で二分されています。左は破風が重なり、通路が奥に伸びて奥行きを感じさせる一方、右は建物の正面のみが描かれ、平面的です。

縫い物や洗い物をする女性たち、遊ぶ子どもたちなど、何気ない穏やかな日常生活の一コマが、フェルメールの筆によって永遠のものになっています。

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