作品詳細
- Title:受胎告知
- Artist:フラ・アンジェリコ
- Date:1440年代後半
- Dimensions:250×321cm
- Medium:フレスコ
- Collection:サン・マルコ美術館、フィレンツェ
作品解説
フラ・アンジェリコは生涯で15枚近くの『受胎告知』を描いていますが、マリアはいつも胸の前で腕を交差させ、静かに天使と対面しています。
この作品はサン・マルコ修道院の僧たちの個室がある2階入口正面にあり、絵の下に「この前を通って汚れなき聖なる処女の御姿を仰ぐとき、アヴェ・マリアを唱えることを忘れぬように」と書かれています。
中世の『受胎告知』と違い、聖霊を表す鳩や、聖母マリアの純潔の象徴である百合は描かれていません。鳩はマリアの頭上のメダイヨンの中にかすかに見えるだけで、聖母マリアの処女性は板塀による閉ざされた庭で表現されています。
遠近法に従って描かれた建物は、この修道院の中庭の柱廊そっくりであるため、『受胎告知』がまさにここで起こっているかのような印象を与えます。