ネーデルラントは、15世紀以来、政治的、文化的統一を保っていました。しかし、16世紀中ごろ、ネーデルラントはスペインの支配下となります。プロテスタント勢力が強い北部は、16世紀末、オランダ共和国として独立し、17世紀以後、2つの国は異なった様相を示しました。
カトリック圏のフランドルでは、偶像破壊運動によって荒廃した教会の再興が進められました。
17世紀に商業貿易都市として繁栄していたアントウェルペンが美術の中心となり、ルーベンスによってフランドル絵画の黄金時代が築かれました。
一方、オランダでは新教が宗教画の礼拝を禁じていたことから市民に分かりやすく、親しみやすい風景画や風俗画、静物画が制作されました。