作品詳細
- Title:サント・ヴィクトワール山とシャトー・ノワール
- Artist:ポール・セザンヌ
- Date:1904-1906年頃
- Dimensions:66.2×82.1cm
- Medium:油彩、カンヴァス
- Collection:アーティゾン美術館
作品解説
プロヴァンス地方のサント・ヴィクトワール山を描いた晩年の代表作。セザンヌはこの山を、若い時から亡くなるまで80点近く描きました。
当時、パリではジャポニズムが流行していたので、葛飾北斎の『富嶽三十六景』の影響を受けた可能性もあります。
絵のサント・ヴィクトワール山は青や緑に彩色されていますが、実際は石灰岩質の白い岩山です。山の中に建つ黄色い館はシャトー・ノワール(黒い館)と呼ばれていた邸宅で、セザンヌはサント・ヴィクトワール山を描くためにこの一室を借りていました。
そして、晩年は山まで4kmの道のりを馬車を雇って毎日のように通いました。
「自然を円筒、円錐、球によって扱う」というセザンヌの主張の通り、山や建物は幾何学的なフォルムに再構築されています。