ドハーニ通りにあるシナゴーグ(ユダヤ教の会堂、Dohány utcai Zsinagóga)は、3,000人を収容できるヨーロッパ最大のシナゴーグです。
19世紀後半にヨーロッパで流行したネオ・ムーア(ムーア・リバイバル)様式、ナショナル・ロマンティック様式のほか、ビザンチン・リバイバル様式、ロマネスク・リバイバル様式、ゴシック・リバイバル様式の要素も取り入れ、1859年に完成しました。
ファサードにある2つの玉ねぎドームの塔や縞模様の壁がエキゾチックです。
最近訪れた人の写真を見ると、これよりもずいぶん明るい色です(窓の左側の補修しているところが本来の色)。
当時はずいぶん汚れていたということでしょうが、私はこの頃の色合いの方が好みですね。
外観の装飾には、ダビデの星などユダヤ教のモチーフが多用されています。
1944年12月、ソ連の赤軍によってブダペストが包囲されるなか、ドハーニ街シナゴーグを含む第7地区にユダヤ人ゲットーが作られました。
7万人がこの狭いエリアに押し込められて、アパートの部屋は超過密状態。
ゲットーの周囲は高いフェンスで囲まれ、入口には「キリスト教徒立ち入り禁止」という標識が掲げられ、人々が自由に出入りできないように監視されていました。
食べ物は手に入らず、ゴミは回収されず、死体は路上に放置され、腸チフスなどの病気が蔓延し…という悲惨な状態は、1945年1月18日にゲットーがソ連軍によって解放されるまで続きました。
フェンスの向こうに見える記念碑はこのゲットーの壁の一部で、解放された日からちょうど40年後の1985年1月18日に設置されました。