聖アントニウスの誘惑(左翼)

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing
左翼全体図

「聖アントニウスの誘惑」はキリスト教の宗教画においてしばしば取り上げられた画題です。荒野で瞑想にふけるアントニウスに悪魔が襲いかかったり誘惑したりして堕落させようとするというエピソードを描いています。

ボスの主要作品にはトリプティック(三連祭壇画)が多いのですが、これもその一つ。

これを見ていると、まったく、どうやってボスはこんなものを創造することができたのだろうと驚歎せずにはいられない。これはグリューネヴァルトの描いたような悪魔による聖者への暴力行為ではなく、かといってまた魔女の饗宴といった悪の支配する世界を描いたものでもない。この誘惑図は地獄ではなく、ここに悪魔はいず、むしろ世界の関節が外れてしまったのでこんな魔物どもがこの世に湧いてしまったというかのようだ。単純にどれが悪、どれが善と識別できない怪物たちがここにはいる。『ヒエロニムス・ボス「悦楽の園」を追われて 中野孝次』

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing
翼のあるカエルの化物によって運ばれる聖アントニウスと、彼を木の枝で叩こうとする魔物

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing
「怠け者」と書かれた紙をクチバシに刺し、スケート靴をはいたグリロ

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing
橋の下でよからぬことを相談している(?)怪人と化物

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing
背に教会の尖塔をのせ、胴体の後ろ半分が装甲盾が車輪になっている戦車(?)の魚

魚はキリストの象徴ですが、ボスは悪と愚行のシンボルとしても用いています。

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing
バグパイプを吹くグリロ

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing
額に矢を打ちこまれた巨人と売春宿

ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch 聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony left wing

作品詳細

  • Title:聖アントニウスの誘惑(左翼) The Temptation of St. Anthony (left wing)
  • Artist:ヒエロニムス・ボス Hieronymus Bosch
  • Dimensions:135×53cm
  • Medium:板に油彩 Oil on panel
  • Date:1505-10年頃
  • Owner:国立美術館、リスボン
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