ゴーギャン『かぐわしき大地』

Gauguin_Te Nave Nave Fenua

作品詳細

  • Title:かぐわしき大地(テ・ナーヴェ・ナーヴェ・フェヌア)
  • Artist:ポール・ゴーギャン
  • Date:1889年
  • Dimensions:117×82cm
  • Medium:油彩、カンヴァス
  • Collection:大原美術館

作品解説

『かぐわしき大地』の少女は、ゴーギャンの書いたタヒチの紀行文『ノア ノア』(タヒチ語で「かぐわしい香り」という意味)に出てくるテフラ(テハアマナ)がモデルとなっています。

ルドンの夫人のすすめでタヒチに渡ったゴーギャンは、西欧化の進んだ首都パペーテではなく、奥地の農村でテフラと暮らしました。

パリの万国博覧会でボロブドゥール寺院のレリーフを見たゴーギャンは、その写真集をタヒチに持って行くほど気に入っていました。少女のポーズは、それを参考にしたものです。

ゴーギャンはタヒチに渡航する前に『異国のエヴァ』という作品を描いています。そこでのエヴァは白人ですが、『かぐわしき大地』はそのタヒチ版ともいえる作品です。旧約聖書「創世記」に出てくるエデンの園のエヴァはたくましく、色彩は強烈です。赤い羽根のあるトカゲは蛇の代わりになっています。