動植綵絵 13 芦鵞図 Ro Ga-zu(Goose and Reeds)

作品詳細

作品解説

多彩な色遣いの作品の多い「動植綵絵」のなかにあって、白いガチョウと墨だけの背景という異色の作品となっています。このような彩色と墨の組み合わせは「虎図」などにも見られ、構図や描法に中国の画家・林良の影響が指摘されています。

ガチョウの体は、裏彩色に胡粉と黄土を施し、表からは胡粉で羽を描いて立体感を出しています。羽に比べると単純な彩色に見える頭部から首にかけても、3度の塗り重ねが施されています。

そうしたガチョウの描写に対して、背景の芦は大胆な筆運びで力強く描写され、色彩と筆致の対比が目立つ作品です。

落款は「宝暦辛巳春居士若冲造」、印は「汝鈞」（白文方印）、「藤氏景和」（朱文方印）。