初期ルネサンス

初期ルネサンス

14世紀は一般的には中世に含まれますが、イタリアではダンテやペトラルカ、ボッカチオが写本の形で残された古代ローマ文学を発掘して、それまで神学の陰に埋もれていた人間の世界に再び目を向けようとしました。

そこでこの時期を、ルネサンスの準備段階としての「プロト(原)・ルネサンス」と呼んでいます。

その精神はダンテの友人だったジョットによる造形表現の革新につながりました。こうした刷新の動きは14世紀半ばにイタリアを襲ったペストの流行によって一時頓挫するものの、15世紀初めから再度活発となります。

美術においてルネサンスが本格化するこの15世紀は、初期ルネサンスとして区分されます。 “初期ルネサンス” の続きを読む

ボス

ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch)

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  • 15-16世紀の初期ネーデルラントを代表する画家。伝統から逸脱した独自のヴィジョンで幻想的な地獄や悪魔を描いた。
  • ボスが所属していた「聖母マリア兄弟会」は「共同生活兄弟会」(神秘主義者ヤン・ファン・ロイスブロークに傾倒するヘラルト・フローテが創設)という宗教団体に影響を受けていた。ボスも感化を受けたと推察される。
  • パトロンはほとんど知られていないが、初めは所属していた「聖母マリア兄弟会」の会員、そこから各地の君主にまで及んだと考えられている。
  • 30点余りの油彩画と20点余りの素描が真筆とみなされているが、工房作品や模写も多く、研究者でも判断が分かれている作品もある。
  • 画業が長く、人気もあったのに現存している作品が少ないのは、1566年のイコノクラスム(聖像破壊運動)のため。1629年、スヘルトーヘンボスが新教区になったことも影響している。
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ブリューゲル

ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel)
ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel)
  • 16世紀中葉に初期ネーデルラントのブラバント地方を中心に活躍した。
  • ネーデルラントの民族性や土着の文化に根差した絵画は市民や人文主義者に支持され、子のピーテル2世やヤンによって模作が大量に作られた。
  • 『七つの徳目』シリーズにおいて、徳目の擬人化という従来の描き方ではなく、民衆の生活における「徳の実践」という新しい描き方を採用した。
  • 上の肖像画はドミニクス・ランプソニウス「ネーデルラントの著名画家の肖像集」(1572)にあるもので、「新しいヒエロニムス・ボス」と紹介されている。
  • 17世紀後半からしだいに忘れ去られ、20世紀に入ってから再評価された。
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エル・グレコ

エル・グレコ(El Greco)
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  • 16世紀スペインを代表する画家ですが、クレタ島生まれのギリシャ人(「エル・グレコ」はスペイン語でギリシャ人という意味)で、本名はドメニコス・テオトコプーロスといい、サインにはその本名が用いられています。
  • 縦に引き伸ばされ、ねじれた人物描写や原色の鮮やかな色遣いなどの独特の画風から、“異端の画家”とも呼ばれました。
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フラ・アンジェリコ

フラ・アンジェリコ「受胎告知」
フラ・アンジェリコ(Fra’ Angelico)
  • 本名はグイド・ディ・ピエロで、フラ・アンジェリコは「天使僧」を意味する通称です。
  • サン・マルコ修道院の祭壇画『マエスタ』で、それまでは宙に浮いた形で描かれていた聖人たちが地上に立っている姿を描き、後世の画家に影響を与えた。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ

レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)

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  • ミケランジェロ、ラファエロとともにルネサンス3大巨匠と称されています。
  • 天文・自然科学、軍事など多くの分野で才能を発揮しました。
  • 輪郭線をぼかして微妙に色を変化させるスフマート技法から、空気遠近法を生み出しました。
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デューラー

アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)

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  • 当時の画家としては珍しく何枚もの自画像を描いています。有名な1500年の自画像では、聖画像や墓碑にしかなかった真正面からの向きで描き、キリストと重ね合わせるような表現を用いています。
  • ドイツの木版画とイタリアの銅板画の技術を融合させ、木版画『黙示録連作』や銅版画『メランコリアⅠ』をはじめとする版画は、イタリアにも影響を与えました。
  • 『人体均衡論』などの美術理論書も著し、ドイツ美術の後進性を打破する使命感を持って活動しました。
Biography
  • 1471年 ニュルンベルクに金細工職人の子として生まれる。
  • 父の工房で働き、ミヒャエル・ヴォルゲムートに絵画の基礎を学ぶ。
  • 1490-1494年 当時の習慣にしたがって、ドイツ、スイス各地へ遍歴修行に出る。
  • 1494年 ニュルンベルクで銅細工師の娘アグネス・フライと結婚するが、2ヶ月後にヴェネツィアへ赴く。
  • 1495年 ニュルンベルクに戻って、自身の作業場を持ち、木版作品を制作する。
  • 1505-1507年 2度目のイタリア滞在。祭壇画などを制作するかたわら、ジョヴァンニ・ベリーニと親交を結ぶ。
  • 1507年 ニュルンベルクに戻る。ルネサンスの人体表現をドイツ美術の伝統に生かした作品を制作し、ドイツ・ルネサンス最大の画家となる。
  • 1520-1521年 終身年金の申請のためネーデルラントへ行く。
  • 1528年 ニュルンベルクで死去。56歳。聖ヨハネ聖堂に埋葬された。
代表作

ミケランジェロ

ミケランジェロ・ブオナローティ(Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni)

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  • レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロとともにルネサンス3大巨匠と称されています。
  • 自らを画家ではなく彫刻家と自負し、彫刻のような人物像を描きました。
  • 人嫌いかつ傲岸な性格のため、弟子をとらず、作品を一人で制作しました。
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ラファエロ

ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi)

Selfportrait_of_Raffaelo,_Uffizi_Florence

  • ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチとともにルネサンス3大巨匠と称されています。
  • ダ・ヴィンチの作品からは構図、ミケランジェロの作品からは人体表現などを自分の作品に取り入れました。
  • ラファエロの描く調和のとれた繊細なスタイルは、19世紀まで西欧絵画の美の基準とされていました。
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